無宗教国家の宗教観と葬儀の必要性

日本は、15歳以上65歳以下の生産年齢人口が8000万人を下回る高齢化社会に突入し、20年以上にわたり65歳以上の高齢者が増加するとされ、大都市圏の墓地不足問題や都市圏への人口集中による墓制の維持問題が深刻化するとされています。しかし、死者を偲び冥福を祈る為の葬儀を行わず、火葬後直ちに埋葬や散骨などを行う人達が増加しています。まるで、経済的な問題で洛外の鳥野辺や化野、蓮野台などの風葬地に遺体を打ち捨てる平安時代の葬送方法を連想してしまいます。現代の日本人は、平安時代と同様に仏教への依存が非常に低く、終末思想のあるキリスト教やイスラム教とは大きく異なり遺体に対するこだわりもなく、死に際して葬儀を省き事務的に送り出す日本人が増えています。背景には、人口の約6割が無宗教という世界第4位の無宗教国家としての民族性が根底にあり、直葬や0葬、散骨、部分収骨などが日本人の本来の死生観であるとも言えます。